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洋風を取り入れようとしている日本。
でもそれを完全に取り入れきっていない日本。
まるさんフーズが下北沢にオープンして今年が9年目。下北沢のカフェの中では老舗と言っていい存在です。
お店のコンセプトは「和食を気軽な感じで肩肘張らず。季節感を出した日本の四季を感じられる食を」。オープン時からいまも変わらないコンセプトです。
「僕が下北沢のバーで働いていて、自分の店をやろうとした時、まだ20代だったんですが、自分のような若いのが気軽に入ってきて和食を食べられる店にしたかったんです」
ご飯とみそ汁が大好きだという川口裕彦さんの好みが、そのままかたちになって出来上がったのが、まるさんフーズというわけです。
いわゆる「和食屋さん」だと、若い人が入りにくい、落ち着けないだろうと考えた川口さんの感性が、お店の内装に活かされています。
「和は崩さず、でもモダンな感じですね。ソファも椅子も和製のものを使っています。日本人が洋風のソファを作るとこうなるよね、というソファ。そこの椅子もダイニングチェアが流行ってきてて、それを日本のメーカーが作るとこうなるという。欧米の本場のそれとは違うのかもしれないんだけど、それが日本の若い人たちにとっては落ち着くんだと思うんですよ」
私たち日本人でも日本家屋で子供の頃から生活し、本当に懐かしさを感じる人がどれくらいいるでしょう?
洋風を取り入れようとしている日本。でもそれを完全に取り入れきっていない日本。実は40歳代くらいまでの、ほとんどの日本人にとって、実際に生活してきたのは、そういう中途半端に洋を取り込んだ日本の住空間だったのではないでしょうか?
純日本的な空間が、実は多くの日本人にとって非日常で、和と洋が中途半端に折り混ざっている空間こそが、日常であるという事実。これは非常に面白い着眼点です。
店内のカウンターに並ぶカラフルなフルーツ酢は、見て楽しい、飲んで美味しいということで女性に人気のメニュー。夜のまるさんで、まるさん印の大吟醸と合わせて、仲間と一緒に楽しむのもいいかもしれない。
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カウンターを鮮やかに彩るフールツ酢
そしてまるさんフーズの人気メニューのひとつが、カウンターに並ぶカラフルなフルーツ酢。
「以前、友人とやっていたバーで、たまにお客様から果物をもらうんですよ。でも余っちゃうことも多くて、どうしようかと考えていた時、梅酒のように漬け込んでみることを思いつきました。果物と氷砂糖を、お酢とカリンのお酒で漬けてみるとおいしいフルーツ酢が出来上がりました。カラフルで飾ってみてもキレイだし、こりゃいいということになって。実際に飲んでもヘルシーなので、女性のお客様からよくご注文いただきます」
昼はゆっくり、買い物や舞台鑑賞の合間とかのちょっとした時間を過ごす場所として。夜は仲間とお酒と食事をワイワイと楽しむ場所として、変化の多い下北沢にあって9年間、人々に愛されてきたまるさんフーズ。下北沢を代表するカフェとして、今後ともその存在に期待がかかります。
東京都世田谷区北沢2-8-5
03-3485-3838
営業時間
12:00~17:00
18:00~3:00(日曜日は0:00まで)
定休日なし
http://www.marusan-web.jp/
若者を意識した肩肘張らない和定食。カウンターをカラフルに彩る各種フールツ酢は、女性に「ヘルシーでおいしい」と評判のまるさんフーズを代表する人気メニューです。